住宅設備に関する賢いお金の掛け方
色々な住宅会社さんのお話しを聞いているうちに、「結局何が一番良いのかわからなくなる」という言葉をよく聞きます。
サッシ、換気システム、断熱材、冷暖房設備など、選択肢があまりにも多すぎて、何を優先すれば良いか迷ってしまいますよね。
例えば、上の図のように「建物の熱の大半は窓から逃げていく」という話しを聞いたことありませんか?
実はこれアルミサッシの薄い窓ガラスだった場合の話しで、青森県で新築住宅を建てる場合は、樹脂サッシのペアガラスが基本となりますので全く当てはまりません。
では実際はどうなのか、計算したのが下の表です。
上からペアガラス、トリプルガラス、ペアガラスに全熱交換型換気システム、それぞれの条件においての年間冷暖房費を比較してみました。表の一番右が部位ごとの熱が逃げる割合、青いセルが年間の冷暖房費です。
樹脂サッシ・ペアガラスの場合、窓(開口部)から逃げる熱は22%となり、外壁から逃げる熱のほうが大きいですね。
では、最近よく耳にするトリプルサッシに替えたらどうなるか?
UA値は0.53から0.51となり、年間冷暖房費も約3,000円おトクになります。
次はサッシはペアガラスのままで、換気システムを熱交換型1種換気方式に替えたらどうなるのか?
UA値は変わりませんが換気の熱損失値が大きく削減され、年間冷暖房費も28,000円安くなるという結果になりました。
ペアガラスが前提でトリプルガラスにするのと、3種換気から1種換気にするのとでは、初期費用にそれほど金額差はありませんので、トリプルにするよりも換気システムにお金をかけたほうがお得だということがお分かり頂けたと思います。
お金をしっかりかけるところ、それほどかけなくても良いところなどコスト配分の優先順位を導き出すには、しっかりとした根拠が必要です。ぜひコスパの良い家づくりをしていきましょう。